妊娠36週で緊急帝王切開し、無事に双子を出産しましたが、なかなかお腹で大きく育たず、1900g代と2400g代で未熟児でした。
私だけ先に退院し、双子は1ヶ月半も入院していました。
出産後2週間は抱っこすることも母乳をあげることもできず、できることは保育器から指を入れて小さな我が子の手を握ることだけ。
「ごめんね、小さく産んじゃってごめんね」と自分を責めることもありました。
帝王切開後の傷が痛む中、搾乳した母乳を病院まで届ける毎日は肉体的にも精神的にも苦痛でしたが、双子を家で育てる準備を万全にすることができた期間でもありました。
この記事では、入院している双子の娘に母乳を届けるために毎日病院へ通った私の心境や、退院までにしてきたことについて書いています。
私と同じように、これから出産を控えている妊婦さんや管理入院中の妊婦さん、出産後入院して赤ちゃんと離れ離れになったママさんに是非読んでいただきたいです。
産後の寝不足
入院中の助産師さんによる母乳マッサージ
出産翌日から搾乳がスタートしました。
妊娠中は「母乳が出る」なんて全く考えられなかったことでした。
管理入院中は赤ちゃんを無事に出産することしか頭になかったからです。
助産師さんに母乳マッサージを教えていただいたおかげで母乳が出るようになりました。
哺乳瓶に母乳を溜めてNICU病棟にいる双子の赤ちゃんに届けました。
少し母乳が出るようになるとそこからが地獄の始まりでした。夜は痛みで眠れず。
3時間もせずに胸が熱を持ってパンパンに膨れ上がり、ピリピリと焼けるように痛くて仕方ないのです。
赤ちゃんがいたら吸ってくれるところを、私はひたすら手で搾乳し続けました。
赤ちゃんと同室なら、きっとこうやって夜中も母乳をあげるんだろうなと思いながら、胸の痛みと寝不足と戦っていたのを覚えています。
入院中は、助産師さんが昼夜問わずほぐしてくれたりマッサージしてくれたおかげでその瞬間はとても楽になりました。
また、病院にある搾乳機を使用して楽に搾乳できていたので手の疲れもそこまで辛くありませんでした。
退院後の搾乳と胸の激痛
退院後は助産師さんによるサポートがないため不安でしたが、乳腺炎になるのを避けるため3時間おきにマッサージと搾乳をしていました。
退院してすぐの頃は手で搾乳をし、1回30分以上かけていたため腱鞘炎になりかけていました。
その後搾乳機を購入し、自分に合った搾乳機を見つけられてからはとても楽に搾乳できていました。
赤ちゃんが入院し、母乳を届けるママさんには搾乳機がとってもおすすめです。
初めの頃はすぐ胸が張ってカチカチになり、絞っても手では限界がありますが、搾乳機は楽に搾乳できる上に量も取れて10分ほどで終わります。
私が使用した中でのおすすめは、シリコンタイプの搾乳機です。
外出にも便利でした!
記事にもまとめているので気になる方はそちらも是非見てください♪
搾乳した母乳を病院へ届ける生活
私が退院した翌日から、母乳を届ける生活がスタートしました。
新生児科からは特になんの指示もなく、母乳は母乳パックに入れて冷凍で持っていくだけ。
母乳パックはなんでもいいということだったので、一番安いものものを何個か買いました。
母乳は凍っていないといけないため、完全に凍ったものだけを保冷剤と一緒に保冷バックに入れて持って行きました。
病院に到着して、少しでも解凍されていると母乳は使えません。
しっかり保冷して行くことがおすすめです。
私は義務感で毎日通っていました。
今考えると、あんなにムキになって毎日通わなくてもよかったのかなと。
あの頃は、ママとして何もしてあげられることがなく、出来ることは「毎日母乳を届けることなんだ!」と思っていたんですよね。
双子育児で休めることがないんだから、ママの体の回復を優先してもいいんだよ!と当時の自分に言いたいです。
そうは言っても、出産したら「ママ」として意識するものなんですよね。
初めての抱っこで嬉し泣き
生後14日目
生後2週間が経ち、やっと保育器から出ることができました。初めて双子②ちゃんを抱っこ。
一番したかったことは抱っこでした。
出産した我が子をようやく自分の腕で抱く事ができ、嬉しかった気持ちは一生忘れないと思います。
2400gで生まれた双子②ちゃんは、保育器の中で見るより実際に抱っこするととても小さかったです。
生後19日目
1900gで生まれた双子①ちゃんがやっと保育器から出る事ができました。
小さくても元気一杯のお姉ちゃん。本当ならママに抱っこされてミルクもらって一緒に寝る事ができて、ずっと一緒にいる事ができるところを、この子たちはそれができない、でも小さな体で一生懸命頑張ってるんだなあと感じて、抱っこできた嬉しさと頑張ってきた娘を見て泣いてしまいました。
2人揃って保育器から出る事ができ、「この子たちのママになったんだ」とようやく実感が湧いた瞬間でもありました。
写真は初めてのツーショットです。
少しずつ、面会時間中に2人を私たちが抱っこできる時間も増えてきた頃でした。
初めての直母と悔し泣き
担当の先生の直母の許可は、2500gを超えていないといけませんでした。
生後20日目
双子②ちゃんが2500gを超えたので、直接母乳で飲む練習が始まりました。
初めての直母は看護師さんも驚くほど上手に飲めました。
GCU病棟では、赤ちゃんが飲んでいい量が決まっています。
退院後は赤ちゃんが必要とする分まで飲ませていいのですが、入院中は貧血のため一気に体重が増える事がないように飲む量が決まっているそうです。
しかし、娘は1回の規定量を超えてしまうほど母乳を飲んでしまいました。看護師さんもびっくり!
その日から通院中は毎日、”オムツを替えて母乳を飲んでお昼寝をする”という「育児」というものが病院でできました。
生後30日目
双子①ちゃんが直母の練習をするまでは、とても長かったです。出産してから1ヶ月も経っていました。
2500gを超えているのに先生からは許可が降りませんでした。
週に一度の面談で、先生に「この子の直母の練習はいつからできますか?」と聞いたところ、私にとっては傷つく一言が返ってきました。
「もう1人の子で練習してるから、いらないと思ってたんだけど・・・」
私にとっては、毎日の面会での限られた時間の中で、娘たちとコミュニケーションを取ることはとても大事なことです。
双子①②両方に同じことをしたい。それはきっと誰もがそう思うと思います。
母乳をあげる練習は、1人にしたからといって1人にはしなくていいとは全く思っていなかったので衝撃的な言葉でした。
先生との面談終了後、涙が止まりませんでした。
その面談では、まだ退院できないといううことのも知りました。
退院がまだだからこそ、病院でできることはしたいのに。と悔しくて泣きました。
私の思いを先生は受け取ってくれて、やっと双子①ちゃんの直母練習が始まりました。
双子①ちゃんもとっても上手でした。哺乳瓶で飲むより早くたくさんの量を飲んでいました。
双子②ちゃんに負けじとたくさん飲んでいて、とても嬉しかったです。
退院の目安
病院での退院の目安をクリアしても、担当医のOKサインが出ないと退院できません。
担当医の先生が、とても慎重な方で
・2人とも2500gを超えないと、直接母乳であげる練習はできない
・夜中に心拍が不安定になったことが一度あり、念の為ここから2週間退院できない
・貧血が見られるため、ある程度貧血が治るまでは退院できない
などの理由から、退院がどんどん遠のいていきました。
帝王切開の傷がまだ痛む中、バスと電車で片道1時間半を毎日。
気づけば新生児科で1ヶ月が経過し、新生児が終わっていました。
周りの赤ちゃんは小さく生まれた子ばかりで、うちの子はとても大きくなりました。
特に声はGCUで一番大きくて、看護師さんは泣き声でわかるほどでした。
先生とお話(面談)ができるのは週に一度の予約した1日のみ、30分もありませんでした。
まだ退院できないの?元気なのにどうして?
私より遅く生まれた双子はとっくに退院してるのに。
私の子達より小さい子たちも退院してるのに。
貧血がある子たちも退院してるのに?
周りにいた赤ちゃんがどんどん入れ替わり、先生とお話できる日も限られ、退院が遠のくごとに通院が苦痛になっていました。そして病院で看護師さんの前で泣くことも多くなりました。
看護師さんが先生に私の気持ちを伝えてくれたものの、やはり先生の許可は降りませんでした。
納得ができずに先生に少し強く言ってしまうこともありました。
当時は余裕がありませんでしたが、今思い返すととても丁寧で親切な先生だったなと感じています。
家で貧血の薬を飲ませてても貧血がひどくなってしまったら?
モニターをつけていないとわからないのに、夜中心拍が不安定になっていたら?
そう考えると、先生が慎重に双子を見てくださったおかげで今の元気な双子の姿があるのだなと思い、とても感謝しています。
赤ちゃんの様子を毎日メモしてくれる看護師さん
出産したその翌日から退院の日まで、看護師さんが毎日赤ちゃんの様子を記録してくれました。
面会に行くたびにそれを貰うのが楽しみでした。
ミルクをどのくらい飲んだか、体重はどのくらい増えたか、その日の様子が買いてあります。
「ママがいなくなってから泣きやみませんでした」と書いてあるのを読んだときはとても嬉しかったです。
この紙は、退院まで86枚にも及びました。今でも大切に保管しています。看護師さんの優しい心遣いが1枚1枚伝わってきて、とても元気をもらっていました。
産後メンタルの変化により傷つきやすい
出産前、心とカラダの勉強をしている理学療法士の友達からこんな情報をもらいました。
出産後は、急激にホルモンバランスが崩れるから、もし気持ちが不安定になってもこの知識は覚えておいてね!
全部ホルモンのせいだよ!
心とカラダがホルモンについていけていないせい。
気にしなくていいんだよ!
出産前のこの言葉のおかげで、気分が落ち込んだり悲しくなったり辛くなった時でも、前向きでいられました。
このグラフのように、ここまで分娩後は急激に下がると心やカラダの変化が出て当たり前!と思っていいですよね!
こんな状況でも24時間体制で子育てするんですから、情緒不安定であったり気分が下がってもイライラしてしまっても、自分を責めない。旦那様もここは是非ご理解いただきたいところですね。
夫婦生活を楽しむ
赤ちゃんが退院するまでの1ヶ月間半は、これからなかなか行けなくなりそうなところへ行きました。
外食したり、買い物したり、赤ちゃんグッズをゆっくり見て揃える時間でもありました。
双子育児は想像以上に過酷です。だから時間があるうちに楽しむことは大切。
「毎日赤ちゃんの面会に行かないと行けない」なんて決まりはないです。
私は面会に行かない日が一日でもあると、入院している赤ちゃんに申し訳ないと感じることが多かったです。
この期間は無理せずに、ママが子育てをする準備期間であって良いんです。結果的にそれが赤ちゃんの為でもあります。
母乳を届けに面会へ通った私の心境まとめ
離れていてもママにできることはたくさんある
限られた時間での面会で、赤ちゃんとコミュニケーションを取ることができます。
赤ちゃんに届けるための母乳を搾乳したり、面会中に手を握ったり、ミルクやオムツを変えたり。
普通に生まれた赤ちゃんにできてることがたとえできなくても、入院している赤ちゃんにとってママは特別。
できることはたくさんあると強く感じました。
自分を責めないでと言われても責めてしまう気持ち、とってもわかります。
でもママにしかできないことってたっくさんある!ということを双子の娘から学び、前向きになることができました。
退院に備えて双子を迎える準備万端
赤ちゃんの退院までに、ゆっくりと準備することができます。
双子は秋生まれだったので、あったかい子供用布団や毛布を買い足しました。
また、実際に病院で赤ちゃんに使用しているミルクや哺乳瓶、オムツを買いました。
生まれてから1ヶ月半と長い入院だったので、病院で慣れているものを家で使ったほうが戸惑いなく育児ができるかなと思ったからです。
産後メンタルの浮き沈みは誰だってある
産後メンタルの変化は絶対にあります。生理前後ですら私は気分の上がり下がりが激しいので、産後は正直怖かったです。
でも「あまり神経質に考えないとこと」「育児を完璧にしないこと」は妊娠前からずっと考えていました。
自分の性格上決めたことがは絶対にできないと嫌なので、そこでストレスに感じることのないようにいい意味で適当な育児をすると決めていました。
イライラすることもたくさんありますが、「全部産後のメンタルのせい!仕方ない。出産を頑張った自分ってすごいよ?」と考えることで気持ちが楽になっていました。自分はすごい、人を育てるって簡単じゃないんだから!そう自分に言い聞かせて自分を褒めました。
もともと考え込みやすい鬱気質な性格ですが、私なりに大変な部分を含めて育児を楽しめています。
小さく産まれた双子が入院中、たくさんの心境の変化がありました。
でもこの子たちにとって、ママにとって、結果的に入院しててよかった!と思うこともたくさんあります。
ワンオペ双子育児をするに当たって、双子が入院中は看護師さんにたくさんのことを教わりました。
心配で怖かった双子育児を前向きにできているのはあの頃があったおかげだなと感じています。
同じ悩みや不安を持つママがいたら、この記事を読んで、少しでも気持ちが楽になってくれたら嬉しいです。
悩んだら、1人で抱え込まないで。
周りに相談してください。